ゲームでも人工知能によって奪われるロールの話
今月15日、Overwatchに革命が起きた。
新キャラクター「エコー」の追加である。
マッドサイエンティストのミヤ・リャオによって作られた人工知能搭載型ロボットはあらゆる戦場に対応できると同時に、Overwatchの根底を揺るがす性能を持っていた。
・高すぎる攻撃性能と移動力
メインはトライアングル状に三発打ち出す“ 距離減衰無し”のヘッドショット判定あり。拡散はするものの遠距離ではその拡散力のおかげでヘッドショットがしやすい。
サブのスティンガーボムは30ダメージ程の吸着するボムを6発打ち出す。爆風や爆発した付近の複数の敵にもダメージが与えられる。クールタイムは4秒と破格の性能(着弾から爆発するまで2秒なので実際はもっと短く感じる。)
アビリティのフォーカスビームはHPが半分以下の敵に対して威力が上がり、モイラのメインよりも射程が長い。(250以下はメインやボムがカスってビーム当てられると即死。)これが8秒に一度撃てる。
ボム→メイン→ボム→ビームが繋がり、例えHP満タンのタンクでも簡単に溶かされてしまう。
もう一つのアビリティのフライトは4秒間飛行状態になり、初速はかなり早く逃げ性能が高い。真上への移動距離も高く、ボムを打ち落として複数の敵に攻撃ができる。クールタイムは8秒。滑空を合わせて使うと着地する前にはまたフライトが使えるようになる。地上、空中でもやや高い起動性能で細身の体を撃ち抜くことは難しい。(頭の当たり判定が小さくなる可能性も出ていて、まさに空は彼女の独壇場になるだろう。)
・ウルトによって大きく制限されるピック
エコーのウルトは対戦相手のキャラクターを15秒間の間コピーし、全く同じアビリティ、ウルトが使用できる。ウルトの回収率にも補正がかかり、ラインハルトならファイアストライクを敵2体に巻き込み、メイン二発を当てるとウルトが打てるようになる。(Dvaに至ってはメインとミサイルを撃つとウルトが打つ事が出来、その後メック装着してメインを少し撃つとまたウルトが打てる。)
これによってエコーにコピーされて形成が大きく変わる可能性を持つキャラクターがピック出来なくなった。マクリーやアッシュといった対空キャラも地上メインで動けば、キルされずウルトで不利になってしまう。
また、擬似的に3タンクや3サポートの構成になり、より盤石になったパーティと止めることは難しい…
・エコーに対して有利なキャラより不利なキャラが多い
250以下(DPS、サポート)に対してめっぽう強いメインとアビリティに加え、ウルトでコピーされると有利が簡単にひっくり返されるタンク。(エコーによって起こるタンクミラーはウルト回収率で見てエコー側が超有利。覆しようがない。)
Overwatchは相手の編成を見て自分の編成を変えるのが醍醐味なのだが、そもそもエコーがいると編成が完全に固まってしまい、アイデンティティの崩壊を招いてしまう。
・ならどうすればいい?
極論を言ってしまうと削除が最も効果的で賞賛に値する行為であると考える。公式は非を認め、2度とこのような悪行はしないと公式放送で謝罪をするがベストだろう。
しかし、バスティオンやドゥームフィストをさんざん放置し、3タンク3サポートへのメタを作り出せずに2タンク2DPS2サポート固定に逃げた運営はここまでの英雄的行為しないだろう。
現在ランクマッチでは使用率が高かったキャラクター(タンクから1、DPSから2、サポートから1)がBAN対象となり、一週間使用出来なくなるシステムで、エコーは配信してから一週間経たずそのBAN対象となってしまった。
おそらく二週間後、二度目のBANから帰ってきたエコーは、清純だった彼女が夏休み明けに黒ギャルに変化するように“劇的な ”、“ 素晴らしい”修正を受けて戻ってくることになるだろう。